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2024-07-09

物置と化した子供室の劇的な活かし方

今回は独立した子供室の劇的な活かし方です。
ご相談を頂いたご夫婦、子供たちが結婚などして独立し、ローンも終わった2階建て住宅をこれからの生活の為にリフォームをお考えでした。からのご要望はまとめると下記のようなものでした。

  • 既存の1階北側のLDKは外部とはほとんど関係を持てない間取り。明るく、景色を見られる生活をしたい。

  • 環境の良い2階南側子供室が、子供独立後は物置状態。小さな部屋が2個並んでいるが何とか活かせないか。

  • 南側道向こうの桜を借景に、夕暮れ時に空や街の風景を感じながらワインを飲みたい。

改修前の平面図を見てみる。

奥、左右とも隣地には住宅が建て迫っていて、景色を見ようにも南の道側しか開放的に出来る空間はありません。でも南側の道の向こうには大きな桜がたくさんあって春には素晴らしい景色が広がります。

1階は和室も駐車スペースがあり、窓はいつも閉めがち。最も環境の良い2階南側の元子供室は物置状態でした。

なんだか、部屋の重要度と環境の良し悪しが逆な気がします。でもこの状態、本当によくある間取りだと思います。

ご提案:環境の良い2階南側に一番長く過ごす部屋に

この住宅で一番環境が良さそうなのはやはり、2階の南道路側、物置状態の元子供室2室ですね。子供室は日当たりが良い上にバルコニーがあり外部を利用できます。また、2階なので道路を行き交う車や歩行者からの視線も気になりません。さらに道向こうの桜は、春は花、次いで新緑、秋には紅葉も見せてくれる素晴らしい借景を提供してくれます。
この子供室2室のスペースを活かさない手はありません。

子供室同士を分ける間仕切り壁や、廊下の壁を撤去すれば、天井が高い大きな空間と出来る事がわかりました。さらにバルコニーを建ぺい率の許す限り大きくすれば、外部もある環境の良い新たな居場所が出来上がります。

最初の提案平面図です。廊下まで含めて2階の2/3を新たなキッチンと居間食堂にします。外部には大きなバルコニ―を設えます。さらに広い範囲を木格子で囲み、柔らかなレイヤーを用意して道路との心理的な距離感を広げます。

幸いな事に、元子供室は屋根形状のままの室内形状で、とても気積の大きな高天井の室でした。
ロフトがありましたが、これも撤去。感じられる空間の最大化を図ります。

このあと、お施主様の住まい方やつくる料理、ゲストとの楽しみ方など様々なシミュレーションと話し合いがしばらく続き最終的には下のようなプランになりました。

友達やゲストを招いて、食事をふるまいつつ楽しく歓談するような過ごし方が出来るように、アイランド形式のキッチンの向こう側にカウンターを付けて、まるでカウンターだけのレストランのような設えになりました。キッチンとカウンターは床の高さを変えていて、目線の高さを合わせています。

西側の月極駐車場側に窓を開けて、ここから夕焼けの空の景色を取り込みます。ご希望の景色が見られる事となりました。

最終案の模型です。

物置と化した子供室の劇的な活かし方、いかがでしたでしょうか。
子供たちが独立したり、新たな家族が増えたりと人生のステージによって必要なスペースは変わり続けます。あなたが今お住まいの建物もリノベーションで大きく住まい方を変えられるかもしれませんよ。

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