写真:髙橋菜生
限られたボリュームに子育て家族のための住宅を開放的に設える
観光地近くの小さな敷地に建つ、夫婦と子供3人の子育て家族のための住宅である。
この地域は景観的理由から建物の形や大きさに京都市独特の厳しめの規制があり、また高額な地価からか周囲は道に沿って小さな敷地が連なり、ボリュームを抑えながら小さな家が込み合って立ち並んでいる。 H博士と探し当てた敷地も同様に小さいが、変形交差点の角地であり、この地域では局所的に公共空地空間である道路に大きく開き開放的であった。そこでこの開放性を活かし道路上の空間を視界に取り込む2階を5人で過ごすための広い居間として重点的に床を割り当て、建ぺい率の許す限り居間とベランダを設えている。交差点に開口を大きく設ける事で視線が道路上の空間を占有し、とても開放的な住まいとなった。 逆に1階は面積を絞り、道路からセットバックした壁面を設定し交差点の交通の安全性に配慮している。 また、前庭を設え、準防火地域にありながら様々な工夫により自然素材である木材を周囲に現す表情の仕上がりとする事で、地域の景観へ配慮しています
概要
所在地:京都市左京区
構造規模:木造地下1階地上2 階建
延床面積:86.83 ㎡
竣工:2022年
設計監理:高橋勝建築設計事務所
構造設計:能戸謙介(アトリエSUS4)
施工:竹内工務店 監督:中嶋一喜 大工:細見真治